
「のどに何かが引っかかっている感じがするが、骨をもつ魚を食べたわけでもない」「思い当たる理由がないが飲み込みづらく、変な病気がないか気になる……」
このようなのどの違和感に悩まされている方は、実は非常に多くいらっしゃいます。
「もしかして重大な病気なのでは?」と不安になり、ネットで検索してはさらに心配を募らせてしまうケースも少なくありません。
結論からお伝えすると、明らかな原因がないのにのどの違和感が続く場合、まず受診すべきなのは「耳鼻咽喉科」、そこで異常がなければ「消化器内科(胃カメラ検査ができるクリニック)」です。
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この記事では、のどの違和感の正体やメカニズム、そしてなぜ胃カメラが必要になるのかを、専門医の視点からわかりやすく解説します。
のどの違和感を引き起こす5つの原因
のどの異物感があるとき、原因はのどそのものだけでなく、食道や胃、さらには首の臓器(甲状腺)など、多岐にわたります。ここでは臨床で特によく遭遇する5つの原因を解説します。
① 胃カメラでも見えない?実は一番多い「NERD(非びらん性胃食道逆流症)」
のどの違和感の原因として最も頻度が高いのが、胃酸の逆流です。
通常、胃の入り口には強力な逆流防止弁(排水トラップ)があり、強い酸性を持つ胃液が逆流しないよう厳重にフタをしています。しかし、このフタが緩むと胃酸がのどまで上がってきてしまいます。
胃カメラで食道の粘膜が赤く荒れているのが見えるものを「逆流性食道炎」と呼びますが、実は「カメラで見ても粘膜はとても綺麗(炎症がない)なのに、のどの違和感を強く感じる」という患者さんの方が圧倒的に多いのです。
これをNERD(ナード)と呼びます。
原因はのどの「センサー(神経)の過敏症」です。ほんのわずかな胃酸の逆流に対してもセンサーが誤作動を起こし、「何かが引っかかっている!」というサインを脳に送ってしまうのです。
② 絶対に見逃してはならない「がん(食道がん・咽頭がん)」
最も注意深く除外しなければならないのが、食道や咽頭(のど)の悪性腫瘍です。
初期の段階では、強い痛みではなく「なんとなくのどがつかえる」「飲み込みにくい」といった、
軽い違和感から始まることが少なくありません。
早期に発見するためには、のどと食道を直接カメラで観察することが何よりも重要です。
③ ストレスや自律神経からくる「ヒステリー球(咽喉頭異常感症)」
検査をしても物理的な異常が一切見つからない場合、精神的なストレスや不安、過労などが原因で起こる「ヒステリー球」の可能性があります。
ストレスによってのどの筋肉(食道を締める筋肉など)が異常に緊張し、まるで「のどにボールでもはさまっているかのような感覚」を作り出します。
④ 物理的な「異物(魚の骨やPTPシート)」
「魚の骨を引っかけてからおかしい」という明確なエピソードがある場合はもちろんですが、まったく意識せずにお薬のアルミ包装(PTPシート)を誤って薬と一緒に飲み込んでしまい、のどや食道に引っかかっているケースです。高齢の方だけでなく、慌ててお薬を飲んだ際やうわの空で薬を飲んだ際などにどなたでも起こり得るため、物理的な異物の確認も大事です。
⑤ 外側から押しつぶされる「甲状腺の腫大」
のどの通路そのものではなく、のどのすぐ前にある「甲状腺」という臓器が腫れる(甲状腺腫や甲状腺がん、橋本病など)ことによって、空気の通り道や食道が外側からギューッと圧迫され、引っかかり感として自覚されるケースもあります。
なぜ消化器内科で「胃カメラ」が必要なのか?
耳鼻科の「のどのスコープ」で見えるのは、のどの手前までです。その奥にある食道や胃の内部を直接確認するためには、消化器内科での胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査が不可欠になります。
「胃カメラ」を行う最大の目的は、上記で挙げた原因のどれに当てはまるのか(あるいは、どれではないのか)を明確に仕分けることにあります。
特に、目に見える炎症がない「NERD」なのか、それとも「ヒステリー球」なのかは、胃カメラで「食道にがんや炎症がないこと」を実際に確認して初めて正しく診断・治療へと進むことができます。
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臨床の現場から:患者さんが抱える「不安」の正体
外来で患者さんのお話を聞いていると、「何か悪い病気があるのではないか」と、強い不安を抱えて来院される患者さんにたびたびお会いします。
特に、インターネットで情報を検索し、「のどの違和感 = がん」という情報を見てしまい、恐怖心から夜も眠れないほど思い悩んでしまう方も少なくありません。
しかし、実際に胃カメラで調べてみると、悪性腫瘍が見つかるケースよりも、前述したNERD(神経の過敏)やストレスによる筋肉の緊張であるケースの方が圧倒的に多いのが現実です。
医師としてお伝えしたいのは、「不安を解消するために胃カメラを受けても問題ない」ということです。
検査をして「中が綺麗である」と分かるだけで、脳の緊張が解け、それだけでのどの違和感がすっと消えてしまう患者さんもたくさんいらっしゃいます。
専門医を「白黒はっきりつけて安心するための場所」として、ぜひ頼ってください。
胃酸の逆流を防ぐ2週間アクションプラン
のどの違和感を和らげるために、今日から自宅で実践できる生活習慣のアドバイスです。まずは2週間、意識して試してみてください。
〇食後2時間は横にならない
食べてすぐに横になると、重力が働かなくなり、胃酸が簡単にのどへ逆流してしまいます。
〇就寝時は「左側を下」にして寝る
胃は左側に大きく膨らんだ形をしています。左側を下にして寝ると、胃酸が深いポケット部分に溜まるため、
物理的に食道への逆流を防ぎやすくなります。
(※逆に、胃がもたれて消化を最優先したいときは、出口のある右側を下にするのが効果的です。のどの違和感が強い時期は左下を意識しましょう)
〇胃内の圧を上げる習慣を見直す
前かがみの姿勢、ベルトの締めすぎ、食べ過ぎは胃を圧迫します。また、脂っこい食事やアルコール、チョコレートは胃のフタを緩める原因になるため、控えめにしましょう。
地域のみなさまと共に歩む「かかりつけ医」として
のどの違和感は、体からの小さなサインです。単なる体調の波と片付けず、適切な検査を行うことが健康を守る第一歩となります。
私たちクリニックは、千葉県流山市で、地域の皆様の健康をサポートする医療を提供しております。周辺の松戸市、三郷市、八潮市などからもご来院いただいています。
「こんな些細なことで相談してもいいのかな……」と遠慮する必要はまったくありません。
少しでものどや胃にお悩みや不安がございましたら、あなたの大切な体を守る「地域のかかりつけ医・主治医」として、いつでもお気軽に当院へご相談ください。
親身になって、健やかな毎日を取り戻すお手伝いをいたします。

