「健康診断で要精密検査と書かれたが、内視鏡によるがん検診はつい後回しにしてしまう……」そんなお悩みを抱えていませんか?
結論からお伝えすると、胃がんや大腸がんは、自覚症状がない時に内視鏡検査などの検診を受けることが、命を守るための最も確実な判断です。この記事では、最新の統計データや現場の専門医の視点から、胃がん・大腸がん検診の重要性をわかりやすく解説します。
1. 驚くべき罹患率と死亡数:胃がん・大腸がんは身近な病気
日本対がん協会が公表した「がんの部位別統計」によると、日本におけるがんの罹患者数(新たにその病気にかかった人の数)と死亡者数は非常に多いことが分かっています。
胃がんと大腸がんの現状




- 胃がん:1年間で男性は約7万人、女性で約3万人が発症します。亡くなる方は男性で約2万4千人、女性は約1万3千人。罹患者数は男女ともに第4位、死亡数は男性で第3位、女性で第5位です。
- 大腸がん:1年間で男性が約8万5千人、女性は約6万8千人が大腸がんと診断されます。死亡数は男性で約2万8千人、女性が約2万5千人。罹患者数は男女ともに第2位、死亡数は男性で第2位、女性で第1位となっています。
このように、胃がんも大腸年も、多くの方が罹患し、かつ死亡数も上位を占める「決して他人事ではない身近な病気」です。特に大腸がんは消化管のがんの中で最も多く、生涯の間に男性は10人に1人(10%)、女性は12人に1人(8%)が大腸がんに罹患することが分かっています。
2. なぜがんになるのか?生活習慣の限界と早期発見の重要性
がんにかからないようにするためには、食事の欧米化を控えたり、適度な運動を取り入れたりといった生活習慣の改善が効果的とされています。しかし、人間の一生や体の仕組みを考えると、完全に予防することは現代医学でも難しいのが実情です。
例えて言うならば、がんは体という広大な庭にこっそり入り込む「雑草」のようなものです。どんなに丁寧に手入れ(生活習慣の改善)をしていても、風に乗って種が飛んでくるように、いつの間にか芽を出してしまうことがあります。
だからこそ大切なのは、「雑草が小さいうちにすぐ見つけて抜き取る」こと、すなわち早期発見・早期治療によって死亡する危険性を下げることなのです。
3. 専門医が一押しする「内視鏡検査」のパワー
では、具体的にどのような検査を受けるべきなのでしょうか。胃がん、大腸がんを早期に見つけるための強力な武器となるのが「内視鏡検査」です。
胃がん、大腸がん(そして食道がんも)は、内視鏡検査によって詳細に診断することができます。
- 大腸がん検診の効果:大腸内視鏡検査を1回行うことで、将来の大腸がんによる死亡率が半分以下になることが知られています。
- 胃がん検診の間隔:胃がんに関しても、2年に1度は受けることで、胃がんによる死亡の危険性を下げることができます。
検診の流れをチェックしましょう
それぞれの検診がどのようなステップで進むのか、公式なフローチャートもぜひ参考にしてみてください。


- 詳しいステップは胃がん検診フローチャートをご覧ください。
- 便潜血検査からの流れは大腸がん検診フローチャートをご覧ください。
4. 「痛い・苦しい」のイメージを覆す!内視鏡検査の進歩
「内視鏡検査って、オエッとなったりお腹が痛くなったりしてすごく辛そう……」ネットの口コミや知人からそんな話を聞いて、及び腰になってしまう方も多いでしょう。しかし、医療技術や薬剤は日々進歩しています。
- 胃カメラの実際:のどの麻酔だけで無理に行うと確かに苦痛を伴います。私自身はそのような検査は絶対に受けません。その代わりに鎮静剤(意識レベルを下げる薬)を使用してもらい、ほとんど「寝ている間」に検査を終えます。自分はそのように検査をしてほしいので、患者さまにも鎮静剤をすすめています。
- 大腸カメラの実際:大腸内視鏡も、鎮静剤を使えば眠っている間に終わることがほとんどです。ただし、大腸の場合は「2リットル近くの腸管洗浄剤(下剤)を飲むこと」がハードルになりがちです。下剤にも何種類かタイプがあるため、辛い思いをしないよう、事前に医療機関で自分に合うものを相談して選ぶのが安心のコツです。
5. あなたは大丈夫?「受診推奨チェックリスト」
「自分はまだ若いから大丈夫」「特に症状はないから関係ない」と思っていませんか? 以下の項目に当てはまる場合は、一度消化器内科への受診や検診を検討してみましょう。
- [ ] 胃の不快感や空腹時のキリキリした痛みが続いている
- [ ] 健康診断の便潜血検査で「陽性(要精密検査)」と言われたが、まだ放置している
- [ ] 40歳を過ぎてから、一度も胃カメラや大腸カメラを受けたことがない
- [ ] 家族に胃がんや大腸がんを経験した人がいる
- [ ] ネットの噂の痛みに怯えるよりも、一度プロに診てもらってスッキリ安心したい
多くの場合は一時的な体調不良や良性のものですが、「大きな病気が隠れていないか確認して、一刻も早く安心したい」そんなときは、我慢せずに消化器内科でご相談ください。
流山市、柏市、松戸市周辺にお住まいで、「検診を受けたほうがいいと分かっていても、なんとなく不安で一歩が踏み出せない」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。皆様の健康な毎日のための、身近な主治医としていつでも温かくサポートいたします。

