大腸カメラ検査を受けるべきだと頭では分かっていても、「お尻を見られるのがどうしても恥ずかしい」「男性の医師や他の患者さんと顔を合わせたくない」という理由から、どうしても受診の一歩を踏み出せない女性は非常に多くいらっしゃいます。しかし、大腸がんは日本女性の部位別死因の第1位(2023年統計)となっており、羞恥心によって受診が遅れることは命に関わる深刻な問題です。現在、内視鏡専門クリニックでは、女性の患者様が少しでも安心して検査を受けられるよう、様々なプライバシー配慮の取り組みを行っています。
女性が抱える「大腸カメラの恥ずかしさ」の正体
肛門から内視鏡を挿入するという大腸カメラの性質上、恥ずかしさや抵抗感を感じるのは人間として当然の感情です。「検査中、ずっと下半身を露出したままなのではないか?」「準備のために何度もトイレに行く姿を、待合室の他の人に見られたらどうしよう」と、不安は尽きません。
露出を最小限に抑える「専用検査着(穴あきパンツ)」
まず安心していただきたいのが、検査中の服装についてです。診察台の上で下半身を丸出しにするようなことは決してありません。患者様には、検査前に「大腸カメラ専用の検査用使い捨てパンツ」に履き替えていただきます。
このパンツは、お尻の肛門部分にだけ小さなスリット(切れ込み)が入った形状をしています。検査の際は、横向きに寝ていただいた状態で、そのスリット部分からのみ内視鏡を挿入します。さらに上からタオルやバスタオルをかけるため、医師やスタッフに肌が露出する面積は最小限に抑えられます。
下半身を丸出しにするわけではありません
また、検査を行う環境そのものにも、患者様の羞恥心を和らげるための工夫が施されています。
プライバシーを守る院内環境と細やかな配慮
検査室の照明を薄暗く落として実施
内視鏡のモニター画像を鮮明に確認し、わずかな病変も見逃さないようにするため、検査中の室内は薄暗く照明を落としています。明るい部屋で煌々と照らされるわけではないため、心理的な抵抗感が自然と薄れます。
女性スタッフ(看護師)によるきめ細やかな介助
検査中は、専門のトレーニングを受けた看護師などの女性スタッフが常に側につき、体勢のサポートやタオルをかけるなどのケアを行います。不安なことや困ったことがあれば、すぐに声をかけられる安心の環境が整っています。
完全個室での準備・下剤服用(院内下剤)
大腸カメラの準備として、数時間かけて下剤を飲み、何度もトイレに行く必要があります。「その姿を他の人に見られたくない」という方のために、テレビやWi-Fi、専用の個室トイレを完備した「完全個室の準備室」をご用意しているクリニックも増えています。
「恥ずかしい」よりも「安心」を持ち帰るために
最初は「恥ずかしいから嫌だ」と仰っていた方も、鎮静剤を使ってウトウトと眠っている間に検査が終わってしまうため、「こんなに楽であっという間なら、もっと早く受ければよかった」と笑顔でお帰りになる方がほとんどです。ご自身の尊い命を守るためにも、安心してご相談ください。

