「最近、胃もたれや胸焼けがひどいけれど、そういえば便秘や下痢も繰り返している…」。このように、胃と腸の両方に不調を抱えている方は少なくありません。「胃も大腸も両方しっかり検査したいけれど、何度も病院に足を運ぶ時間はないし、検査前の食事制限や苦しさを2回も味わうのは絶対に嫌だ」と躊躇している方にぜひ知っていただきたいのが、胃カメラと大腸カメラの「同日検査」というスマートな選択肢です。一度の通院で食道、胃、十二指腸(一部)と大腸をまとめてチェックできる画期的なメリットについて詳しく解説します。
胃と腸の不調は連動しやすい?そのメカニズム
胃と大腸は、自律神経(交感神経と副交感神経)のネットワークやホルモンの働きによって密接に連携しています。そのため、ストレスや過労、生活習慣の乱れによって一方の働きが落ちると、もう一方にも悪影響を及ぼすことがよくあります。
機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群(IBS)の合併
例えば、胃に潰瘍などの異常がないのに胃痛や胃もたれが続く「機能性ディスペプシア(FD)」と、便秘や下痢を繰り返す「過敏性腸症候群(IBS)」は、同時に発症しやすい(合併しやすい)ことが知られています。
逆流性食道炎と腸内環境の関連性
また、胃酸が食道に逆流して胸焼けを起こす「逆流性食道炎」を抱えている方が、不規則な食生活により腸内環境の乱れを併発しているケースも多く見られます。上部(胃)と下部(大腸)の症状が混在している場合、両方を一気に調べるのが最も合理的です。
胃カメラ・大腸カメラ「同日検査」の圧倒的なメリット
両方の症状が気になる場合、胃カメラ(上部内視鏡)と大腸カメラ(下部内視鏡)を別々の日程で予約するのは、患者様にとって時間的にも体力的にも大きな負担となります。そこで現在推奨されているのが「同日検査」です。
事前の食事制限・通院スケジュールが1回で済む
別々に検査を受ける場合、前日の夜からの食事制限や絶食、そして受診のための仕事の調整などを2回行わなければなりません。しかし同日検査なら、これらすべてが1回で完結します。お仕事や家事・育児で忙しい方には最大のメリットと言えます。
鎮静剤の効果で眠っている間に両方の検査が完了
多くの専門クリニックでは、点滴から鎮静剤(静脈麻酔)を投与し、ウトウトと眠ったようなリラックスした状態で検査を行います。完全に意識を失う全身麻酔とは異なり、呼びかけには応じられる程度のことが多いですが、苦痛はほとんど感じません。胃カメラから開始し、そのままスムーズに大腸カメラへと移行するため、患者様が気づいた時には両方の検査が終わっています。「苦しい検査を2回も受ける」という心理的ハードルが大幅に下がります。
同日検査の具体的な当日の流れ
当日は、まずご自宅(またはクリニックの院内)で腸をきれいにするための下剤(腸管洗浄剤)を飲みます。腸内がきれいになり便が透明になったことを確認後、検査着に着替え、ベッドで点滴の準備をします。鎮静剤を使用し、胃・大腸の順に内視鏡で丁寧に観察します。もし大腸ポリープが見つかれば、その場で日帰り切除することも可能です。検査後はリカバリールームのベッドで30分〜1時間ほどゆっくりと休み、麻酔が覚めてから医師より画像を見ながら結果説明を受けます。実は胃カメラの準備は大腸カメラの準備に含まれているため、検査前の準備は実質上、大腸の準備だけで胃も検査することが可能です。
忙しい現代人こそ、同日検査で効率的ながん予防を
胃や腸の不調は、胃がんや大腸がんといった重大な病気のサインかもしれません。効率的かつ苦痛を抑えた「同日検査」を活用し、胃と大腸の健康を一度にチェックしましょう。

