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親族に大腸がんの人がいる方へ。遺伝のリスクと30代・40代からの早期検査のすすめ

「父親が大腸がんで手術をした」「祖母も大腸がんだった」。ご自身の家族や親族に大腸がんを患った方がいる場合、「自分も遺伝でがんになるのではないか」と不安に感じるのは自然なことです。大腸がんには、生活習慣だけでなく「遺伝的要因」が強く影響するケースがあります。今回は、家族歴がある方のリスクと、通常よりも早い「30代・40代からの大腸カメラ検査」の重要性について解説します。

大腸がんと「遺伝・家族歴」の深い関係

大腸がんの発症には、食の欧米化や肥満、喫煙などの環境要因のほか、遺伝的な要因(家族歴)が密接に関わっています。

第一度近親者に大腸がんがいるとリスクは数倍に高まる

両親や兄弟姉妹などの「第一度近親者」に大腸がんになった人がいる場合、全くいない人に比べてご自身が大腸がんを発症するリスクは約2〜3倍に跳ね上がると言われています。

若年化する大腸がんのリスク

一般的な大腸がんは40代以降に増え始めますが、遺伝的な素因が強い場合、より若い年齢で発症する傾向(若年化)があります。

遺伝性大腸がん(リンチ症候群・家族性大腸腺腫症)

代表的なものに、特定の遺伝子変異によって若くして大腸がんや他のがんを発症しやすい「リンチ症候群」や、10代の頃から大腸に無数の大腸ポリープができ、将来的にほぼ100%がんに進行する「家族性大腸腺腫症(FAP)」などがあります。

家族歴がある方は「いつから」検査を受けるべき?

通常、特に症状や家族歴がない方には「40歳を過ぎたら一度は大腸カメラを」と推奨しています。しかし、家族に大腸がんの患者がいる場合は、より早い段階での対応が必要です。

親や兄弟が発症した年齢より「10年前(30代)」を目安に

ガイドラインや専門医のコンセンサスでは、家族が大腸がんを発症した年齢が若ければ若いほどリスクが高まるとされており、一つの目安として「親や兄弟が発症した年齢よりも、10年早く大腸カメラ検査を開始すること」が強く推奨されています。例えば、お父様が40代で大腸がんを発症したなら、ご自身は30代から検査を始めるべきです。

無症状でも40歳からは定期的な内視鏡検査を

便秘や下痢、血便などの便の異常が出てからでは、がんが進行している可能性があります。一度大腸カメラを受けて異常(ポリープなど)がなければ、その後は医師の指示に従い3〜5年ごとの定期検査を続けることで、がんの発生を未然に防ぐことができます。

正しい知識と早期検査が最大の予防策

「遺伝だから仕方ない」と諦めるのではなく、遺伝のリスクを知っているからこそ、早期発見の網を張ることができます。ご家族を守るためにも、まずはご自身の腸の健康状態を専門医と確認しましょう。