便潜血検査が陽性だった時は?

便潜血検査は陽性でしたか?

便潜血便潜血検査は、便に血が混ざっているか否かを調べる検査なので体に負担がかかりません。ですので、健診でも広く行われている検査です。便潜血検査は2回行うことが推奨されています。そして、2回のうち1回でも陽性だった時は、精密検査として内視鏡検査を受けることを勧めます。なぜなら病気があったとしても必ず陽性になるとは限らないからです。便潜血検査は主として大腸癌を調べるための検査です。早期の大腸癌の場合、便の潜血検査で陽性とならないこともあります。早期癌ではおおよそ50%くらいで便潜血検査が陽性になります。逆に言うと、1回の検査では50%を見落とすことになります。2回調べると、見落とすのは25%まで減少します。そして毎年受けていると、癌を見落とし続ける危険性がさがるので、その後の精密検査で進行する前に大腸癌と診断できる可能性が高くなります。便潜血検査を毎年受けることで大腸癌による死亡リスクが下がることが明らかになっています。40歳以上になれば必ず便潜血検査を受けましょう。

便潜血検査(免疫法)とは

便潜血検査には化学法と免疫法がありますが、最近では免疫法が多く用いられます。免疫法はヒトのヘモグロビン(赤血球にあるタンパク質)を検出する方法なので、牛肉や豚肉、あるいは魚など、食事に含まれる血液を検出しません。また、胃酸や膵液などによって変化したヘモグロビンも検出しません。
従って、便潜血検査は大腸の出血を調べるための検査となります。胃や十二指腸、小腸からの出血も検出することはありますが、主として調べる検査は大腸から出血する病気です。そして、罹患する人が多く、かつ最も気をつけないといけないのは大腸癌です。ですから便潜血検査は大腸癌を発見するための検査と考えても良いでしょう。また、その他の大腸に出血を来す病気、例えば潰瘍性大腸炎や出血性大腸炎、あるいは肛門の病気である痔核でも便潜血検査は陽性になります。

どんな危険があるか

便潜血検査は例え1回でも陽性になったら精密検査として大腸内視鏡検査を受けることを勧めます。一度陽性だった場合に、改めて便潜血検査を行って確認することをたまに聞きますが、これは明確に誤りです。大腸癌があったとしても毎回陽性になるとは限らないからです。
便潜血検査の利点は便を採取するだけなので、体に対する負担がないことです。そして毎年受けることで、大腸癌の死亡率が下がることが明らかになっていることです。欠点は、陽性だとしても必ずしも癌とは限らないこと、陽性だった場合に重大な病気が潜んでいるのではないかと、精密検査で問題がないことが確認できるまでは不安な状態で過ごす必要があることです。

大腸癌はよくある病気

近年、癌に罹患する人はとても多く、全ての癌を合わせると2人に1人は生涯の間に一度は癌にかかります。調査する年によって多少異なりますが、日本人では男性は大腸癌、胃癌、肺癌が多く、女性は乳癌や大腸癌、肺癌に多くかかることが統計調査でわかっています。生涯の間で大腸癌は男性で10人に1人、女性で12人に1人がかかる、とてもよくある癌なのです。
便潜血検査や大腸内視鏡検査を行うことで、早期で診断されることが多いのも大腸癌の特徴です。全ての癌に当てはまることですが、早期で見つかれば見つかるほど治癒する可能性は高くなります。また、治療の負担も小さくて済みます。ですから、便潜血検査で陽性となった時は、必ず大腸内視鏡検査を受けてください。

便潜血検査と痔

もともと痔からの出血を経験していると、便潜血検査で陽性となっても痔からの出血だと思い込んでしまうことがあります。たしかに、痔核出血の場合も便潜血検査で陽性となります。しかし、痔核があると同時に大腸に出血する原因となる病気が潜んでいることは決して珍しくありません。
出血の原因が痔核出血だと思い込むのは、何も便潜血検査に限ったことではありません。便器が赤くなるような出血があっても、「いつものようにいぼ痔からの出血だろう」とか「真っ赤な血だからいぼ痔の出血だろう」などと判断し、日常生活の忙しさから大腸内視鏡検査を受けない人は多いです。
便潜血検査で陽性となった場合、あるいは血便が出る時は必ず大腸内視鏡検査を受けるようにしましょう。

大腸内視鏡検査を受けましょう

大腸内視鏡検査は肛門から内視鏡を挿入し、大腸の入り口(小腸の出口=回盲弁)までを目で見て確認する検査です。ポリープや癌がある場合、形や大きさによってはその場で治療することができます。また、治療しなくても組織を取って病理検査を行うことも可能です。
このようにその場で処置をすることができるのが、内視鏡検査での大きな利点です。大腸内視鏡検査で大腸癌が見つかったとしても、内視鏡治療のみで治癒する場合もあります。
そのためには癌を早期の状態で発見することが非常に重要です。便潜血検査が陽性となった時は、必ず大腸内視鏡検査を受けましょう。

当院の大腸内視鏡検査のご案内

当院では、大腸内視鏡検査を専門的に行っています。鎮静剤や鎮痛剤を使用して、ほとんど痛みがない「眠った状態で受けられる大腸内視鏡検査」が可能です。
大腸内視鏡検査をご希望の方は、まずは一度当院に来院ください。その際は、事前に予約を行っていただきます。
大腸内視鏡検査における不明点や不安なことがありましたら、遠慮なくご相談ください。

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