2024年5月4日に流山おおたかの森駅前広場で開催された、「流山グリーンフェスティバル」に参加し、当院で取り扱っている米粉麺を調理して提供しました。初めての取り組みでしたが、院内のスタッフや、院外の有志の力をお借りして大成功を収めることができました。
「Nagareyama流 米粉Noodles ~トマトパスタ風~」
提供した料理は名付けて、「Nagareyama流 米粉Noodles~トマトパスタ風~」という、パスタ風のまぜソバです。
この料理は、流山市の初石にあるラーメンの名店「Kiriya」の店主青木さん(X(旧Twitter:@ns_kiriya)の全面的なご協力により完成しました。
・旨味たっぷりのトマトペースト
・万上本みりんで作られたタレ
・シジミから作られた特製のシジミ油
・オレンジピールの風味豊かな鶏チャーシュー
・湯通ししたスナップエンドウとラディッシュ
を、米粉麺とからめていただきます。
流山の食材・流山のお店
実はこの料理には流山がたっぷり含まれています。
・米粉麺・・・流山産のコシヒカリを100%使用
・オレンジピール・・・初石にあるとても美味しいパン屋さん「小倉ベーカリー」の店主小倉さん(X(旧Twitter):@ogura_pan_h8)作
・スナップエンドウ&ラディッシュ・・・西深井にある安心、安全な有機野菜を作っている「えか農園」で栽培
つまり、Kiriya×小倉ベーカリー×えか農園×南流山内視鏡おなかクリニックのコラボによって完成した米粉Noodlesなのです。
いわゆるトマトソースのパスタとはまた異なる風味があり、何度食べても美味しいです。タレとシジミ油によって、爽やかさや酸味が加わったトマトソースは本当に味わい深いものでした。鶏チャーシューはオレンジピールが間に挟まっており、柑橘の爽やかな風味がスッと通り抜けます。何枚でも食べられます。
スナップエンドウとラディッシュもちょうどよい湯通しの加減で、心地よい歯ざわりと甘みが良いアクセントになっていました。
普段は医療事務・看護師・看護助手・医師です
この最高に美味しい「Nagareyama流 米粉Noodles」を、当院スタッフとKiriyaの青木さん、そして今回のイベントのプロデューサーである森りょうじさんと共に、グリーンフェスティバルで提供しました。
結果、220杯を超える米粉Noodlesをお求めいただくことができました。
私たちクリニックのスタッフは露店販売をした経験などなく、当日を不安と期待の入り混じった気持ちで迎えました。
スタッフの役割として、
・お会計をする
・野菜の湯通し
・トマトペーストを乗せる
・チャーシュー、野菜を乗せる
・店頭での呼び込み
があります。
皆初めての体験です。そして途中からは麺を茹でることも行いました。ガスコンロの前に立つだけでどれだけ熱いか、身をもって体験できました。テポという、麺を湯切りするための道具があります。
熱湯で麺を茹でるものですから、テポの持ち手も熱い!ガスの熱、湯気、テポの持ち手の熱さ・・・コンロの前で10分立っているだけで、フラフラしてきます。ラーメンを作っている方は、この熱気の中で美味しい麺を茹でてくださっているのだと理解できました。
下準備こそが大変だと知りました
また、事前の準備の大切さも学びました。鶏チャーシューやスナップエンドウ、ラディッシュの下準備をするのも大変です。200人分以上を用意するために何枚のチャーシューを切る必要があるのか・・・ラーメン店ではこれを毎日されているのです。今まで以上にラーメン店では感謝の気持ちを持って、有難くラーメンをいただきたいと思います。
減少している米の消費を増やしたい
さて、私たち南流山内視鏡おなかクリニックが今回のイベントに参加した理由は、「米粉麺」をより多くの方に知ってもらいたいからです。
日本人の主食「お米」の消費量は年々低下しています。ピークだった1962年(昭和37年)には1人あたり1日2.2合(茶碗4杯分)のお米を食べていたのに、2022年(令和4年)には1日0.9合(茶碗2杯分)まで減少しています。主食であるお米の消費が減っていくのはやむを得ないのか気になっていました。
参照:https://www.navit-j.com/media/?p=78260
また、当院には「おなかが痛い」「昔からおなかが弱い」「すぐにお通じが緩くなる」という症状を持っている方がたくさん来院されます。「便が出にくい、便秘だ」という方も受診されます。
こういった症状に対して、お米を摂取することは有用だと考えており、お米をしっかり食べようということをクリニックではお話してきました。お米を美味しくたくさん食べる工夫として、米粉の麺はとても面白いと考え、クリニックで取り扱うことにしました。
(米粉麺は流山市のふるさと納税の返戻品にも採用されています)
「腸活」にこそお米を食べたい
お米は意外と食物繊維が多く、またデンプンを多く含みます。デンプンは小腸で消化されずに大腸まで流れていくと、食物繊維の代わりになります。食物繊維は大腸にいる腸内細菌の栄養となり、腸内細菌が活発に活動することによって、腸の動きだけでなく身体の様々な場所に良い効果をもたらしてくれます。そして体の中で消化されず、腸内細菌にも利用されなかったデンプンは便の形を作ってくれます。
お米は腸内細菌を元気にするだけでなく、便の形をつくる、ボリュームを増やしてくれる、とてもおなかに良い食品なのです。いわゆる「腸活」では、~を食べようということをメディアで目にします。私は腸活には「お米を食べよう」ということを声を大きくして伝えていきたいと考えています。
さらに、おなかが痛くなりやすい人の中には、フォドマップ(FODMAP)という、おなかの中で発酵しやすい糖質(Fermentable Oligosaccharides, Disaccharides, Monosaccharides, And Polyol)が身体に合わない人もいます。FODMAPを多く含む食品として、小麦で作られたものがあげられます。
気軽に食べられるからと、麺類やパンなどをいつも食べていることが、おなかの不調の原因となることがあります。
また、スーパーで売っている総菜パンやカップ麺などは、見た目を良くするため、長く保存できるにするため、様々な添加物が加えられています。添加物と体調の関係はまだまだわからないことが多いのですが、日常的に摂取して健康向上に役立つことは何もないと思います。
Kiriyaさん・小倉ベーカリーさん
実は私自身はラーメンもパンも大好きです。食べるとおなかが張ったり、痛くなったりすることがあるので、診療がある日などはあまり食べ過ぎないようにしています。また毎日食べるものではないので、同じ食べるのなら美味しいものをいただきたく、Kiriyaさん(化学調味料を極力使わない、青木さんの想いがこもった逸品です)や小倉ベーカリーさんのラーメンやパンを楽しませてもらっています。
私は家では主食としてはお米をしっかり食べる一方で、楽しみとしてKiriyaさんや小倉ベーカリーさんのような、地元に根差しているプロフェッショナルの方たちが丹精込めて作られたラーメンやパンをいただきたいと考えています。それが食べる楽しみ、地元に愛着がでる喜び、そして身体的、精神的な健康の向上にも結びつくと信じています。
「無農薬」かつ「化学肥料を使わない」野菜作り
最後に、野菜についても少し触れたいと思います。多くの野菜は、見栄えを良くするため、同じような規格のものを安価で安定的に供給するために、農薬が使われています。農薬は適正にしようしていれば健康に害がないとされています。
しかし、短期的には目にみえて健康を害することはない微量の農薬かもしれませんが、長期間にわたって農薬が残った野菜を摂取し続けることは、健康増進に役立つとはとても思えません。
そこで、この「Nagareyama流 米粉Noodles」では、無農薬かつ化学肥料を使わない、それこそ水洗いしなくても収穫したその場でも安心して食べられる、えか農園の野菜を使わせていただきました。実は当院はで、えか農園でレンタル農園をお借りしています。春夏秋冬、季節の旬の野菜を収穫し、スタッフで無農薬、有機肥料で育てた美味しい野菜をいただいています。
以上のことから、南流山内視鏡おなかクリニックでは「お米を食べようプロジェクト」をすすめています。特に、クリニックが位置する流山市や東葛地域で作られたお米を食べようということをすすめています。地産地消で美味しいものが食べられれば、最高ですよね。
最後に
今回は「流山グリーンフェスティバル」という非常に大きなイベントで、さらに地元の名店とコラボさせていただくという、非常に貴重な機会をいただきました。毎回このようなイベントを行うことは難しいかもしれませんが、自分たちにできることを、楽しみながら一つ一つチャレンジしていきたいと思います。