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【保存版】血便が出た!40代以上が知っておくべき5つの原因と内視鏡でのチェックポイント

こんにちは、南流山内視鏡おなかクリニックの医師の前田です。
このページをご覧いただいているということは、「血便が出て心配になって検索した」という方が多いのではないでしょうか?

  • トイレで拭いたら血がついていた

  • 便器の水が赤く染まっていた

  • 黒っぽい便が出た気がする…

血便と一言で言っても、実はさまざまな原因があります。
特に40代を過ぎると、「がんなどの重大な病気」が隠れている可能性も高まってきます

この記事では、血便の原因として考えられる代表的な病気を5つに絞ってわかりやすく解説し、なぜ「内視鏡検査」が大切なのかをお伝えします。
読み終わる頃には、「検査を受けてみようかな」と思えるような内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください!

血便の色と出方で原因が見えてくる

まずは、血便の「色」や「出方」に注目しましょう。
ざっくり言うと、出血している場所が肛門に近いほど、血は赤くなります

血便の色

考えられる出血部位

鮮やかな赤色

肛門や直腸

暗赤色(えんじ色)

大腸の奥(S状結腸〜横行結腸)

黒色便

小腸〜胃(タール便)

 

💡POINT
・あくまで傾向であり、例外はあります

・どの色でも「放置しない」ことが大切

・自己判断は危険。まずは専門医に相談を!


血便の原因①:大腸がん・大腸ポリープ

見逃せない!血便の裏に隠れることがある“重大な病気”

まず最も重要なのが大腸がんと大腸ポリープです。
血便がきっかけで大腸がんが見つかることは、実はそれほど多くないのですが、生命に関わる病気なので必ず念頭に置いておくべき疾患です。

● 大腸がんとは?

日本ではがんによる死因のトップ3に入る大腸がん
特に50代から発症率が上がり、早期のうちは無症状であることが多いため、発見が遅れがちです。

症状として現れるとすれば、

  • 血便(鮮血または暗赤色)

  • 便が細くなる

  • 残便感

  • 下痢と便秘の繰り返し

などがあります。

● 大腸ポリープも要注意!

ポリープとは、大腸の粘膜にできる「できもの」。
一部のポリープは、将来的にがんに進展する可能性があります。
多くの場合、血管が豊富なため出血しやすいのも特徴です。


血便の原因②:痔核(いぼ痔)・裂肛(切れ痔)

一番多いけれど、侮れない出血の原因

「痔」と聞くと軽く考えがちですが、血便の最も多い原因でもあります。

  • 痔核(じかく):いわゆる「いぼ痔」で、肛門の静脈が腫れて出血します。

  • 裂肛(れっこう):切れ痔のことで、便が硬い時などに肛門が裂けて出血します。

症状の特徴

  • 鮮やかな赤い血が、便に付着している・紙につく

  • 痛みやかゆみがあることが多い(特に裂肛の場合)

💡注意点:痔だと思っていたら、実は大腸がんだった…というケースも珍しくありません。痔があったとしても奥に何もない保障にはなりません。鮮やかな血が出て痔核・裂肛があったとしても、特に40代以上の人では内視鏡検査を行って大腸がんではないことを確認するのが無難です。痔だとばっかり思っていたのに・・・は本当によくある、「あるある」です。


血便の原因③:大腸憩室出血

「突然ドバッと出血!」大腸にできた小さな袋が原因

憩室(けいしつ)とは、大腸の壁にできる小さな袋状のくぼみ。
これが破れて出血すると、突然大量の血便が出ることがあります。

  • 痛みがほとんどない

  • 前触れなく出血する

  • 便器が真っ赤になるほどの量

  • 一度で終わらず、しばらく血便が続く

憩室出血は自然に止まることもありますが、繰り返すことも多く、注意が必要です。


血便の原因④:虚血性腸炎

「突然の腹痛+血便」中高年女性にも多い疾患

虚血性腸炎(きょけつせいちょうえん)は、腸に流れる血液が一時的に不足することで、腸が炎症を起こす病気です。

S状結腸という左下腹部の腸は、体の構造的に血液が流れにくくなりやすい部位のため、虚血性腸炎の好発部位です。血液が流れなくなった部位の腸の粘膜が壊死して脱落します。その部位が炎症を起こして、出血します。

  • 突然の腹痛(左下腹部が多い)

  • 血便

  • 下痢

などが特徴です。

夜中に突然おなかが痛くなって目が覚め、トイレに行ったら下痢だった。その後血便が出てきた、というのが典型的なパターンです。
40〜60代で発症することが多く、高血圧・動脈硬化・便秘がちの人は注意が必要です。最近は若い人で高血圧など基礎疾患がない人でも発症することがあります。


血便の原因⑤:炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)

若い人に増えている難病

近年増加傾向にある「潰瘍性大腸炎」「クローン病」などの炎症性腸疾患も血便の原因となります。炎症性腸疾患がかかる原因が不明の病気です。潰瘍性大腸炎の方がクローン病よりもはるかに患者さんの数が多いものになります。潰瘍性大腸炎は肛門の近くの腸から炎症を起こして、徐々に奥に広がっていくことが多いです。炎症を起こす場所が肛門に近いため、赤い便やイチゴゼリー状の便が出やすいです。

  • 繰り返す下痢

  • 粘液や膿を伴う血便

  • 腹痛
  • 発熱や倦怠感

など、慢性的な症状を伴うことが多いのが特徴です。
放置すると腸の炎症が悪化し、治療が複雑化し回復により多くの時間を要するので、早期診断・治療が重要です。


血便を感じたら、まずは内視鏡検査を!

ここまでご紹介した5つの疾患は、「大腸内視鏡検査」と「肛門の診察」で鑑別が可能です。

「痔かもしれない」「きっと疲れのせい」と思って放置すると、

  • ポリープが大きくなる

  • がんが進行して手遅れになる
    といったリスクもあります。

内視鏡検査でできること

  • 大腸全体を直接カメラで観察(診断)

  • 病変部の組織検査(組織診断)
  • ポリープの切除(治療)

内視鏡検査の良いところは、診断だけでなく治療も同時に行えることにあります。他の検査では診断だけにとどまることがあり、治療を行うために内視鏡が必要となってきます。


よくある質問:内視鏡って「痛くないの?」

当院では、鎮静剤を使った「痛みの少ない内視鏡」を行っています。

  • 眠っている間に検査終了

  • 恥ずかしさに配慮した検査着

初めての方でも安心して受けられるよう、しっかりサポートしていきます!


【まとめ】血便が出たとき、まずすべきこと

  • 血便の原因はさまざま。中には命に関わる病気も

  • 自己判断で「痔だろう」と放置しない

  • 40代以上は特に、大腸内視鏡での精密検査が重要

  • 痛みや恥ずかしさに配慮した検査なら、安心して受けられる!


📢検査のご予約はお早めに!

当院では、血便や便通の変化がある方も早く検査を受けられるように十分な検査枠をご用意しています。
「少しでも不安がある方」は、ぜひ一度ご相談ください。

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